吸って、吐いて。
世の中は思い通りにならないことばかり。
幼い頃、誰がそれを教えてくれたんだろう。
大人になって段々に現実のそれとすり合わせていく。
実力や運、タイミング。複雑に組み合わさる。誰にも予想がつかない。
本当に好きな人に好きだと言えない人は一体どのくらいいるんだろう。
本当に好きな人と結婚できない人は一体どのくらいいるんだろう。
会社や学校を本当に楽しいと思える人は一体どのくらいいるんだろう。
本当に心の底から幸せな人はどのくらいいるんだろう。
本当に不幸な人はどのくらいいるんだろう。
セクキャバ嬢でもデリ嬢でも銀行員でも農家でも
結局みんなやることは一緒。毎日息を吸って吐いて。
幼い頃から思い通りにならないことばかりのはずだったのに
どこか現実に期待している。今も昔も。
もう他人にも身内にも一切期待するなと
まるで呪怨のように唱え続けてきた私だけれど
そんな私は、人よりどうも人間臭いらしい。
よく歌の歌詞に木や貝のように感情を持たないものに生まれ変わりたい、というものがあるが本当に木や貝は感情がないんだろうか。
結局は命ある限り生まれたときから戦わないといけないんだ。
残念だけれど今年は大好きな貴方に会えないみたい。
だから私は毎日息を吸って吐いて。戦って。