微妙なズレ
問題のある家庭や虐待を受けて育った子どもは
周りとの《微妙なズレ》を感じて
苦しみながら大人になる
そんな大人たちは
その《微妙なズレ》によく鉢合わせて
正体を知るたびに絶望するんだけど
自分がいくら悲しみの淵にいようと
誰かが助けてくれるわけでもなく
昇華しきれない気持ちを積み重ねて
容赦なく苦しみの沼に引き摺り込まれる
『過去は忘れろ』だなんて、言われた日には
ハラワタが煮え繰り返りそうなほど
心は怒りに満ちているけど、
その言葉もまた《微妙なズレ》として
処理するんだ
恨んでも恨みきれず、
死ぬことも殺すこともできず
そんな自分すら疑っている
何度苦虫を噛み潰しても湧いて出てくる
怒りすら向ける先がないなら
ずっと昔から残ってるこの辛い気持ちはなんなの
同じこと言えんの
忘れることは強さなの
そうなると私はなんなの
それすら《微妙なズレ》なの
自分ごと昇華できることが
生きていることの証明なら
私は死ぬまで自分自身を証明なんてできない
今日も雪崩に飲み込まれてく